解説
	線毛上皮と微絨毛は、細胞表面の突起物であるが、構造や機能において異なる。
線毛上皮は、細胞表面に長くて細い微小な突起である線毛が密生している上皮組織を指す。線毛は微小な振動運動を行い、周囲の液体を動かすことで、物質の運動や、細胞の感覚受容や分泌など、多様な生理機能に関与している。線毛上皮は、気道や気管支、精子管、卵管、などに見られる。
一方、微絨毛は、線毛よりも短く、より密に分布している微小な突起であり、消化器官や腎臓の細管に存在する。微絨毛は、腸管の上皮細胞に見られ、小さな丘状構造で、短い細胞突起が多数密集している構造。微絨毛は、表面積を増加させ、栄養素の吸収を効率的に行うための構造として機能している。
総じて、線毛上皮と微絨毛は、細胞表面の突起であるが、それぞれの器官の構造や機能に合わせて、異なった形態や機能を持っている。
	
		
			| (1) | 
			血管の内側は、血液と血管壁を隔てる内皮細胞からなる、内皮細胞層で覆われている。内皮細胞は、非常に薄く、平滑な細胞であり、血管の内腔を形成している。また、内皮細胞は、血管内皮細胞において特異的に発現する細胞間接着分子と呼ばれる機能分子を介して、血液中の細胞や物質と相互作用することができる。 | 
		
		
			| (2) | 
			線毛を持つ上皮で内腔が覆われる器官は、気道などに見られる。 線毛は微小な細胞突起で、鞭毛と同様に細胞の運動や物質の移動に関与している。 気道の場合、線毛を持つ上皮が、粘液を分泌して微小な異物や細菌を捕らえ、繊毛運動によって外に排出する働きをする。 | 
		
		
			| (3) | 
			食道の上皮は、扁平上皮と呼ばれる種類の上皮で覆われている。扁平上皮は、細胞が平らであるために、組織全体が薄くなっている。食道は、口から胃までの長い管状の器官であり、食物を運ぶ役割を担っている。このため、食道の上皮は、外部からの刺激や化学物質の侵入に対して耐性を持たせる必要がある。扁平上皮は、そうした状況に適応するために、比較的厚くなっており、さらに角質化(角質層を形成すること)することで、防御機能を高めている。 | 
		
		
			| (4) | 
			単層円柱上皮である。 | 
		
		
			| (5) | 
			移行上皮である。 移行上皮は、多層であり、表面には大きな円柱形の細胞が並んでいる。細胞自体はやや厚めで、縦に伸びた異常な形の細胞核を持っている。移行上皮は、膀胱の壁が伸張したり収縮したりするたびに、細胞間にある複数の結合タンパク質の変形によって、柔軟に対応することができる。また、細胞表面には特殊な細胞質の小さな泡が多数存在し、膀胱壁の伸縮に応じて膨張したり収縮したりして、柔軟性を持たせることができる。 |